テキストサイズ

優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第10章 夏の訪れ



「……ふふ、起きてんじゃん」

そう言われて、目をゆっくりと開けた。
寝癖がついたままの春ちゃんが、こっちを見ていた。
今度は春ちゃんの手が、頭に触れている。
温かい。2人の温度が、好きだった。

「咲……もう眠れないなら、おいで」

春ちゃんが言いながら部屋を出て行く。わたしはクマのぬいぐるみを、優の隣にそっと置くと、春ちゃんの後を追った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ