優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第10章 夏の訪れ
学校へ着くと、最初に動物達の餌やり。
わたしは、猫に挨拶を済ませると、餌を置いた。
人間には目もくれぬ勢いで餌を食べる猫を、ボーッと眺めていると、春ちゃんがわたしに声をかける。
「はいはい、咲。やることいっぱいあるんだから、どんどん行くよ〜」
ウサギ小屋へ行き、軽く掃除をしてから、こちらも餌やり。
ウサギはわたしの手からキャベツをもぐもぐと食べる。鼻と口が小さく高速に動く感じがかわいい。
今度は、春ちゃんに声をかけられる前に動き出す。
畑やプランターの草をむしって、水やり。
最後に、なっているナスとキュウリを程よく収穫する。
「今日の分ね。浅漬けと、夜は麻婆茄子にしようか。キュウリは漬物でもサラダでもいけるからね」
小一時間、学校の庭でやることを済ませて急いで家に帰る。
それなりに動いていて、運動をしたような気分になった。