
優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第10章 夏の訪れ
わたしは頷いた。
頷くと、春ちゃんは頭をぽんぽんと撫でて、キッチンへ入っていく。
なんとなく何をする気力もなくて、ソファに横になっていると、春ちゃんがテーブルにマグカップを置いた。
「咲、飲んで。内側から温めるのは大事だよ」
「……ありがとう」
春ちゃんは、温かいココアを入れてくれた。生理中は、体を冷やしてはいけないという。
わたしは起き上がって温かいココアを啜ると、目を閉じて再び横になる。
なんだか少しずつ、お腹が痛くなってきた。
我慢できる痛みだけれど、ずっとじわじわと痛みが止まらない。
