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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第10章 夏の訪れ


優と春ちゃんの部屋のベッドに降ろされて、布団をかけられた。
きっと優は、部屋を出て行って、わたしはしばらくひとりで眠ることになる。
お腹の痛みは酷くはならないけれど、かといってなくなるわけでもない。布団に包まれると、眠気が再び襲ってきた。

お腹痛い、眠い、でも……
離れたくない……
離れないで……もう少しだけ……。

そう思うと、無意識のうちに、ぎゅっと手を握る。握った手が掴んでいたのは、優の服の裾だった。
引っ張られた感覚に、優は少し驚きながら、ふっと微笑むのがわかる。

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