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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第10章 夏の訪れ

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生理が終わったその次の日が、海に行く日だった。
1泊2日になるらしい。前日、準備を春ちゃんと進める。出かける準備は、した事がなかった。
小学生の時の修学旅行は、お金がなかったので行けなかったのだ。
その話をしたら、優は深い深い、溜息をついていた。きっと、母親に呆れていたのだと思う。

……だから、今回が初めての旅行だ。
何を準備していいか、わからない。

「咲、とりあえずお着替え入れて」

「次の日の分だけでいいの?」

「海入るなら、短いズボンと半袖、下着ももう1セット予備で入れておこうか」

わたしの部屋に、大きめのリュックを持った春ちゃんがやってくる。
てきぱきと指示を出しながら、春ちゃんはわたしの荷造りを手伝った。

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