
優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第10章 夏の訪れ
駐車場に車を停めて、海の家でパラソルを借りた。砂に足を取られて、上手く歩けない。
転びそうになったところを、優に腕を掴まれ、手を繋がれる。
「ゆっくり歩け」
そう言われて、足元に気を向ける。
浜辺には、家族連れやカップルなど、たくさんの人がいて、夏の海を楽しんでいる。
わたしたち3人は、砂に足を取られながら、人のたくさんいるところを避けて、場所をとった。
春ちゃんが慣れた手つきでパラソルを開いて日陰をつくる。ブルーシートを敷くと、3人で海を見ながら腰掛けた。
