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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第10章 夏の訪れ

波の音、風の音、海から上がってくる、潮の匂い。その全てが初めてで、大きく息を吸い込む。
寄せては引いていく波を見ていた。

「咲、海、入ってみるか?」

優に尋ねられて、ゆっくり頷いた。砂浜は日陰でも暑くて、少しだけ水に入ってみたい気持ちが出てきていた。
きらきらと光る波に、触れてみたかった。

「日焼け止め、塗ってから行きなね」

春ちゃんはバッグの中のから日焼け止めを取り出して、わたしに手渡す。
手の届かないところは、春ちゃんに塗ってもらった。

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