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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第10章 夏の訪れ

なんとなく、目元から水がこぼれて、湯の中に落ちた。

あれ、わたし、泣いてるの……?

顔を洗うように両手で頬を抑える。
目からは涙が次々とこぼれ落ちる。
泣いてしまうほどに、自分が心から満たされていることに、気づく。

長湯するなよ、と言われたことを思い出したが、泣いたことがバレたくなくて、もう少しだけ浸かる。
のぼせる寸前で、湯から上がった。

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