優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第11章 落し物に気づく時
「……咲、もう少し気持ちいいところに集中しろ。変に我慢するな」
優がわたしのクリトリスに触れながら言った。
集中なんてしたら、すぐに意識が飛んでしまう。それが怖くて仕方ない。
息を切らしながら、無理だと伝える。
「む……り、っはぁ、はず、かし……」
優は生理の穴から掬われた液体を、わたしのクリトリスに塗りつける。滑りが良くなった指の動きに、一気に我慢ができなくなっていく。
気持ちいいところと自覚した上に、動かされる指に、感覚がおかしくなる。
「ん、いや、や、め、んぁっ」
やめてって言っても、きっとやまない。だけれど、そう言っていないと、自分を保てなくなる気がして怖かった。
「咲、気持ちいいね」
春ちゃんは、そんなわたしの気持ちを汲んでいるようだった。
春ちゃんの言葉に、気持ちが一気に快楽に傾いていく。やっと優しくなった春ちゃんに、安心して身を預けても良いことを知る。体の力が抜けてから、達するまでにそう時間はかからなかった。
「……ん!あっ……!!」
腰が浮いて、ブルブルと震える。
その瞬間に、刺激が終わる。
何も考えられない。呼吸を整えるために息をするが、なかなか収まらない。
この瞬間が、自分が自分でなくなるような感覚だった。
春ちゃんが頭を撫でる。
ここにいる、大丈夫。そう言ってくれているみたいに。
それが、眠りに落ちても良いという、わたしへの合図だった。