優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第11章 落し物に気づく時
2
治療後、咲の寝顔を眺めながら、優と2人で話をする。
「ちょっと今回は、自分で触らせるのは無理だったな……」
前回、次からは自分で触り方を教えようという話はしていたが、そこに達することはなかった。
「あぁ、もう治療受けずに寝ようとしてたしな」
優が呆れたように笑う。
穏やかに眠る咲の顔を見ていたら、ふつふつと割り切れない気持ちが湧いて出た。
感情のいちばん醜い泥沼から、罪悪感が顔を出す。
「……咲に、少し厳しくしすぎた」
そう口にすることで、無意識に自身の罪を軽くしようとしていたのかもしれない。
優はそんな俺を擁護することなく、客観的に自分の意見をぶつけてくる。
治療後、咲の寝顔を眺めながら、優と2人で話をする。
「ちょっと今回は、自分で触らせるのは無理だったな……」
前回、次からは自分で触り方を教えようという話はしていたが、そこに達することはなかった。
「あぁ、もう治療受けずに寝ようとしてたしな」
優が呆れたように笑う。
穏やかに眠る咲の顔を見ていたら、ふつふつと割り切れない気持ちが湧いて出た。
感情のいちばん醜い泥沼から、罪悪感が顔を出す。
「……咲に、少し厳しくしすぎた」
そう口にすることで、無意識に自身の罪を軽くしようとしていたのかもしれない。
優はそんな俺を擁護することなく、客観的に自分の意見をぶつけてくる。