優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第11章 落し物に気づく時
数分もしないうちに、井田先生が飛んできて、状況をすぐに把握する。
「保健室行こう、もう大丈夫だ」
井田先生の大きな手がわたしの腕に触れた時、ほっとして力が抜けていった。
朝から気まずかったのもあって、なんとなく目を合わせられないでいたが、体は正直だ。
井田先生の温かさは、わたしの体に刻み込まれている。
いつもの体温だ……。
そう思ったら、ゆるゆると心が溶けていくような感覚になって、もう足に力が入らなくなっていた。
井田先生はわたしの救護に当たった生徒達に代わりにお礼を言うと、わたしを列から連れ出した。抜け出たところで、養護の水野木先生が合流する。2人に肩を抱えられながら、保健室へ入った。
「保健室行こう、もう大丈夫だ」
井田先生の大きな手がわたしの腕に触れた時、ほっとして力が抜けていった。
朝から気まずかったのもあって、なんとなく目を合わせられないでいたが、体は正直だ。
井田先生の温かさは、わたしの体に刻み込まれている。
いつもの体温だ……。
そう思ったら、ゆるゆると心が溶けていくような感覚になって、もう足に力が入らなくなっていた。
井田先生はわたしの救護に当たった生徒達に代わりにお礼を言うと、わたしを列から連れ出した。抜け出たところで、養護の水野木先生が合流する。2人に肩を抱えられながら、保健室へ入った。