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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第11章 落し物に気づく時

「なんで……?」

どこを探してもない。
探せば探すほど、鍵はどこにも無いことが明らかになっていって、もう思い立って探す場所もなかった。


最後の砦、職員室に寄る。
井田先生はもう、いっちゃんと中庭で作業をしていて、職員室にはいない。……なんとなくそれに安心している自分がいた。
落し物が届いていないか確認してみるが、そこでも今日は、鍵の落とし物はあがっていないという。
絶望的な気分を抱えながら、中庭に向かった。

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