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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第11章 落し物に気づく時

中庭ではいっちゃんがうさぎの世話をしていた。

「あ、さっちゃん。遅かったね」

合流して、藁を敷き詰める作業を手伝う。
うさぎをそっと抱き抱えて、作業するのに支障がないところにどいてもらう。抱き抱えたうさぎの重みと、なんとも言えない柔らかくて温かい感じに少し心が落ち着いた。
……探し物をしていたことを、いっちゃんに打ち明ける。

「……ちょっとだけ、探し物してて」

「え、何探してたの? 言ったら手伝ったのに……みつかった?」

いっちゃんはすぐにわたしの方を見て、心配そうな顔をした。

「家の鍵……見つからなくて……」

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