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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第12章 ふたりの憧れ

とりあえず、そろそろ春斗もお開きの時間かと思って、テーブルの下で動かない咲の写真を撮って、送り付けた。

「え! 優、なんで写真撮ったの今!」

咲は音に気づくと、俯いていた顔をガバッと上げて、こちらを睨んでくる。

「春斗に送った」

「なんで……!」

春斗、と聞いて目を見開く。
春斗のトークルーム、既読は案外、すぐにつく。
思った通り、もうすぐお開きになるところだったようだ。

『何してんの? ウサギごっこ?』

『知らん。心の準備してるんだと』

『あー、今日か。今から帰るわ。そこから出しといて』

『了解』

数回やりとりをしたところで、スマホをテーブルの上に置く。
咲のことをもう一度覗き込むと、まだここから動かないという意思を感じる。
待っていて出てくることがあるのか、少し微妙なところではある。

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