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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第12章 ふたりの憧れ

俺は袋からお菓子をひとつ取り出すと、そっとダイニングテーブルの少し外に置いた。
咲が動いて手を伸ばす。

食いついた……!!

笑うのを堪えながら、もう1つ、道を作るようにお菓子を置く。
モグモグと口を動かす仕草が、本当にうさぎみたいだった。



秘技・ヘンデルとグレーテル作戦。




咲はおもしろいくらいに素直に作戦にのってきた。
チョコレートを追って、1つずつ食べながら、しっかりと俺が作った道を辿ってくる。

気づくと、ダイニングテーブルの外に完全に出ていた。咲の意識は完全に、お菓子を食べることに全振りしている。

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