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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第12章 ふたりの憧れ

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気づいたら、後ろから春ちゃんに抱きつかれていて、両手の自由がなくなっていた。

視線の先にはお菓子の袋を持って、わたしのことをしっかりと見つめる優がいる。後ろを振り向くとわたし頭のすぐ上に、春ちゃんの頭があって、こちらを見下ろしている。

状況が把握できなくて、2人の顔をキョロキョロと交互に見ていた。

「つーかまえた。食べ過ぎですよ、お嬢さん」

と、春ちゃんがにっこりと笑い、

「心の準備はできたか?」

と、優に言われて返す言葉が出てこない。

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