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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第12章 ふたりの憧れ

わたしはタオルケットに包まれる。体が浮いたと思ったら、優にふんわりと抱きかかえられていた。

……お、お姫様抱っこ……。

熱に侵されながらも、その状況に少しだけ動揺した。なんてこと無く、重さなんて感じさせないように、優はそのままスタスタと歩く。
マンションのエントランスを出たところに、春ちゃんが車を停めて待っていた。

「じゃあ、出発するね〜」

車に乗り込んだのを確認すると、春ちゃんがゆっくりと車を発進させる。
わたしは荒い息を繰り返しながら、丸まって目を閉じた。

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