テキストサイズ

優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第12章 ふたりの憧れ

すぐに優と春ちゃんが部屋に入ってくる。

「咲、おはよう、腹痛いか?」

目をぎゅっと瞑りながら、頷いた。
鈍痛は自覚すると酷くなるらしい。ゆっくりと息をしながら、気分を紛らわせようとする。

「飲み物、摂れればいいんだけれど……」

春ちゃんが手に持っていたスポーツドリンクを見ながら言った。

「咲、ちょっと体起こすぞ」

優がわたしの体に触れる。ゆっくりと起こされて、座った状態で支えられる。わたしは支えられながら、なんとかその姿勢を保っていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ