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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第12章 ふたりの憧れ

優と春ちゃんはお互いに、なまはげとか寝ない子ハンターとか、そんなふうに思っていたのがおもしろい。
やっぱりパパママなのかもしれないと、変なことを思ってしまう。
2人でひとしきり笑ったあとに、優は真顔に戻りつつ、少し残念そうな顔をした。

「……春斗から聞いたけど……明日は学校休め。まだ微熱あるし、食事もあまり摂れてない。病み上がりの風邪と月経のダブルパンチで、貧血起こして倒れる危険もある」

なんとなく、わかっていたけれど、少し悔しい。

「うん」

頷いて布団を肩まで被った。瞳がうるうるしないように、瞬きを繰り返す。
明日は、家に1人で留守番ってことか……そう考えて寂しくなった。

優はわたしの気持ちを汲んだように、頭を優しく撫でる。

「大丈夫、明後日には学校行ける。それと明日、俺は当直入りで午前中は家にいるし、午後は春斗が早めに帰ってくるから、安心しろ」

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