
優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第12章 ふたりの憧れ
「うん……ごめんなさい」
優の大きな手で撫でられるのが心地よかった。思いついたように、優はポツポツと話す。
「……謝るなよ。昨日、家の中暗くて驚いた。咲が熱出して喋らないし、笑わないし。春斗と2人で暮らしてた時より暗くて、びっくりした。笑えるようになったんだ、明日休めば絶対良くなる」
頷いて目を瞑る。
熱を出して、優と春ちゃんに迷惑をかけて、申し訳ないと思っていた。特に優は、昨日休みだったのに病院へ行くことになってしまって。毎月の治療だって駄々こねて面倒なことになっている。
わたしがこの家に来て、正直、2人はそれで良かったのか、そんなことも考えてしまっていた。だからこそ、優の言葉が嬉しかった。
ここに居ていいんだ、ここが咲の居場所なんだと、改めて言われているように感じた。
ほっとしながら、わたしは心の中でいっちゃんに「ごめんね」と謝った。
優の大きな手で撫でられるのが心地よかった。思いついたように、優はポツポツと話す。
「……謝るなよ。昨日、家の中暗くて驚いた。咲が熱出して喋らないし、笑わないし。春斗と2人で暮らしてた時より暗くて、びっくりした。笑えるようになったんだ、明日休めば絶対良くなる」
頷いて目を瞑る。
熱を出して、優と春ちゃんに迷惑をかけて、申し訳ないと思っていた。特に優は、昨日休みだったのに病院へ行くことになってしまって。毎月の治療だって駄々こねて面倒なことになっている。
わたしがこの家に来て、正直、2人はそれで良かったのか、そんなことも考えてしまっていた。だからこそ、優の言葉が嬉しかった。
ここに居ていいんだ、ここが咲の居場所なんだと、改めて言われているように感じた。
ほっとしながら、わたしは心の中でいっちゃんに「ごめんね」と謝った。
