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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第12章 ふたりの憧れ

7

「さっちゃん! もう大丈夫なの?」

昼休み、いっちゃんと合流すると、開口一番にそう言われた。

「うん、ごめんね、約束すっぽかすようなことになて……」

かなり心配をかけてしまったらしい。
わたしが謝ると、底抜けに明るい笑顔で、いっちゃんはわたしに言った。

「ううん。昨日、井田先生から聞いて驚いた。放課後もひとりで作業じゃ寂しかったよ、さっちゃん治って良かった」

いっちゃんのクラスで昼食を摂ることにしていたので、わたしは3組の教室に来ていた。
教室のつくりは一緒なのに、2組とはまた、雰囲気が全然違う。なんていうか、2組より掲示物が多くてカラフルだ。
教室には、担任のカラーが出るらしい。

いっちゃんは手際よく机を向かい合わせにくっつけると、わたしに席を勧めてくれた。
2人で向かい合って座ると、お弁当を開いて手を合わせる。

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