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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第12章 ふたりの憧れ

「あ、ごめん……。洗ってくるね……!!」

なんとなくその場から逃げたくなって、椅子から立ち上がる。引いた椅子が、ガタガタと派手な音を立てたが、気にすることができなかった。

急いで箸を持って教室の外へ出た。
心臓の音がバクバクとうるさい。
樫木くんに触られた右の手首だけが、熱を帯びていて、顔が赤いのを走ったせいにした。

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