優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第13章 定期検診のお知らせ
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帰ってくると、春ちゃんが玄関にやってきた。
「おかえり。咲、楽しかった?」
「うん、ただいま」
服の代わりに、本を買ってきてしまったことから、少し罪悪感を感じていた。
朝、わくわくして出ていったのもあって、元気がないわたしの様子に、春ちゃんが気づかないわけがない。
「なんか、あったの?」
目の前にしゃがみ込んだ春ちゃんの心配そうな顔に、正直に言わなきゃと思った。
「……春ちゃん、ごめんなさい。お洋服、1着しか買えなかった。その代わり……これ、どうしても欲しくて」
わたしは手に抱えていた紙袋を春ちゃんに渡す。
図鑑が入った紙袋だった。
春ちゃんは中を覗くと、ゆっくりと、わたしに笑いかけた。
「……謝ることないよ。好きなもの見つけて買ってくるなんて、嬉しい」
春ちゃんは、嬉しい、と言ってくれた。
それは、予想外の反応だった。俯いていた顔をぱっと上げる。
帰ってくると、春ちゃんが玄関にやってきた。
「おかえり。咲、楽しかった?」
「うん、ただいま」
服の代わりに、本を買ってきてしまったことから、少し罪悪感を感じていた。
朝、わくわくして出ていったのもあって、元気がないわたしの様子に、春ちゃんが気づかないわけがない。
「なんか、あったの?」
目の前にしゃがみ込んだ春ちゃんの心配そうな顔に、正直に言わなきゃと思った。
「……春ちゃん、ごめんなさい。お洋服、1着しか買えなかった。その代わり……これ、どうしても欲しくて」
わたしは手に抱えていた紙袋を春ちゃんに渡す。
図鑑が入った紙袋だった。
春ちゃんは中を覗くと、ゆっくりと、わたしに笑いかけた。
「……謝ることないよ。好きなもの見つけて買ってくるなんて、嬉しい」
春ちゃんは、嬉しい、と言ってくれた。
それは、予想外の反応だった。俯いていた顔をぱっと上げる。