テキストサイズ

優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第13章 定期検診のお知らせ

「植物図鑑だよ」

少し驚いたように目を見開くと、優は微笑んだ。
わたしの頭をわしゃわしゃと撫でる。
そうされているのが、なんだかくすぐったくなって、目を瞑った。

「読み終わったら貸して」

呟くようにそう言われて、心がふわっと浮くような感覚になった。わたしは大きく頷く。
嬉しかったのは、わたしだけではなかったらしい。

「優も畑仕事する?」

春ちゃんがそう言ったけれど、それにはすかさず断りを入れて、春ちゃんが少しむくれる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ