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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第13章 定期検診のお知らせ

「あぁ。そこら辺は春斗の方が詳しいだろうけどな。今まで、学費をタダにする為に勉強してたんだろ?」

そう言われて、コクっと頷く。
環境が変わってからも、勉強は続けた。トップの成績で居続けることで、わたしなりに優と春ちゃんの負担を減らしたいと思っていたからだった。

頷くわたしを見てから、優は真っ直ぐにわたしの事を見つめた。

「それを続けるのも悪くは無いけれど、もう自分のために、勉強してもいいんじゃないか?」

「自分の……ため?」

わたしは目を瞬かせる。

勉強は好きだった。好きというより、自分が自分でいるためにすがっていた。
身を守る術としてやってきた勉強。
それはそれで自分のためだったわけだけれど、優が言っているのはそうではない。

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