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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第13章 定期検診のお知らせ


「今日、早乙女先生から声かかった。そろそろ病院来いって。今週土曜の午後1番で予約してある」


「……え」

唐突にそう言われて、言っていることが飲み込めない。ぽかんとするわたしに、優はゆっくりと、言葉を選びながら話をした。

「いや、ちょっと前から言われてはいたけれど……経過が気になるそうだ。問題ないことは伝えたが……3ヶ月めの生理が来る前に何で病院来なかったって、怒られた。俺が」

「……優が?」

「あぁ。俺が」

優がため息混じりにそう言った。
早乙女先生が優と春ちゃんに厳しかったことは聞いていたが、今でもそれが有効だとは思ってもみなかった。だいたい、優に怒られても、優が怒られているところを想像できない。

「前の生理、血の量少なくなかったか?」

「うーん……言われてみれば、夜用のナプキン、使わずに済んでたかも」

「咲が毎日飲んでるピルは、もともと経血の量を少なくする作用はある。でも、月経の時に経血が出し切れなくてお腹に溜まってる可能性もなくはない」

「うそ……もし、お腹に血が溜まっていたら……?」

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