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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第13章 定期検診のお知らせ


検査の必要性は十分にわかっている。
わかっているけれど、結果次第であの治療になるかもしれないと思うと、到底、明るい気持ちになることはできない。

「……そう言うと思って、少し延ばして様子見してた。そしたらお声がかかった。これすっぽかしたら、俺だけじゃなくて咲も春斗も怒られる」

「そ、それは……」

慌てて顔を上げて、首を振る。目に涙が溜まってしまいそうになった。

「げっ、俺もなの?」

いつの間にか部屋の入口にいた春ちゃんが、声を上げて顔を歪める。

「そりゃそうだろ。順番的には俺、春斗、咲の順番で怒られるだろうな」

「うわ……研修医のとき本当に……ほんとに怖かったから、それだけは勘弁願いたい」

春ちゃんの口ぶりから、早乙女先生が怒ると怖いのは本当らしい。
これは……逃げることができない。

早速、カレンダーの来週土曜の日付の下に『咲:婦人科検診13´~』と書き込まれて、嫌でも意識せざるを得ない。

ため息と共に、1週間が始まった。

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