優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第13章 定期検診のお知らせ
6
こんなに起きたくない土曜日は……いつぶりだろう……。
朝が来たのはカーテンの隙間から入る光で分かっていた。わかっていたけれど、体を起こそうとは少しも思えない。
憂鬱になりながら、真っ白な天井をぼーっと見つめる。二度寝したらやり過ごせるかな……。
そう思って目を瞑って、眠気を待っていた時だった。
ノックの音がするや否や、春ちゃんがの声が部屋に響く。
「さーきー。そろそろ起きなよ〜」
開いた扉から、パンが焼ける匂いがして、つい起きそうになってしまう。
土曜の朝は高確率でパンだ。それも、パン屋さんで売ってるちょっと良いやつ。春ちゃんがこだわって、金曜の夜に買ってくる。
でも今日は……例の、検診の日。
いつもならすぐ起きてサクサクふわふわのパンを食べているのに……。
起きられない、起きたくない。
「もう少し……」
布団に頭まですっぽりと包まるわたしを見て、春ちゃんは溜め息をついた。
布団を引き剥がされると思って、ギュッと握りしめる。意外にも、春ちゃんはゆっくりとわたしに近づいてきた。
こんなに起きたくない土曜日は……いつぶりだろう……。
朝が来たのはカーテンの隙間から入る光で分かっていた。わかっていたけれど、体を起こそうとは少しも思えない。
憂鬱になりながら、真っ白な天井をぼーっと見つめる。二度寝したらやり過ごせるかな……。
そう思って目を瞑って、眠気を待っていた時だった。
ノックの音がするや否や、春ちゃんがの声が部屋に響く。
「さーきー。そろそろ起きなよ〜」
開いた扉から、パンが焼ける匂いがして、つい起きそうになってしまう。
土曜の朝は高確率でパンだ。それも、パン屋さんで売ってるちょっと良いやつ。春ちゃんがこだわって、金曜の夜に買ってくる。
でも今日は……例の、検診の日。
いつもならすぐ起きてサクサクふわふわのパンを食べているのに……。
起きられない、起きたくない。
「もう少し……」
布団に頭まですっぽりと包まるわたしを見て、春ちゃんは溜め息をついた。
布団を引き剥がされると思って、ギュッと握りしめる。意外にも、春ちゃんはゆっくりとわたしに近づいてきた。