優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第13章 定期検診のお知らせ
7
結局、連れてこられた病院。
名前が呼ばれて、診察室に入るまでが途方もなく長く感じた。
呼ばれて重い足を引きずり、入ってみれば満面の笑みの早乙女先生がわたしと春ちゃんを迎え入れる。
「咲ちゃん、井田、久しぶりだねぇ。まぁ、久しぶりにしたのは澤北だけど」
既に診察室にいた優が俯き加減に目を伏せる。
「……すみません」
それを聞いたあと、早乙女先生は春ちゃんにも目を向けて、笑みを浮かべながらもその眼光は鋭い。
「井田もほっとした顔してんじゃないわよ〜、厳重注意」
「ひぇ……すみません」
蛇に睨まれた蛙とは、まさにこのこと。
大の大人の男性2人がきまり悪そうに俯くんだから、早乙女先生が昔、2人にどんな風に厳しかったのかが少し垣間見える。
その光景に珍しがっていると、間を開けずに今度はわたしに向き直る。
「じゃあ、咲ちゃん。とりあえず横になろうか。エコーで診ていくよ」
……いよいよ、診察室の時が来た。
わたしは恐る恐る頷いて、素直にベッドに横になった。
結局、連れてこられた病院。
名前が呼ばれて、診察室に入るまでが途方もなく長く感じた。
呼ばれて重い足を引きずり、入ってみれば満面の笑みの早乙女先生がわたしと春ちゃんを迎え入れる。
「咲ちゃん、井田、久しぶりだねぇ。まぁ、久しぶりにしたのは澤北だけど」
既に診察室にいた優が俯き加減に目を伏せる。
「……すみません」
それを聞いたあと、早乙女先生は春ちゃんにも目を向けて、笑みを浮かべながらもその眼光は鋭い。
「井田もほっとした顔してんじゃないわよ〜、厳重注意」
「ひぇ……すみません」
蛇に睨まれた蛙とは、まさにこのこと。
大の大人の男性2人がきまり悪そうに俯くんだから、早乙女先生が昔、2人にどんな風に厳しかったのかが少し垣間見える。
その光景に珍しがっていると、間を開けずに今度はわたしに向き直る。
「じゃあ、咲ちゃん。とりあえず横になろうか。エコーで診ていくよ」
……いよいよ、診察室の時が来た。
わたしは恐る恐る頷いて、素直にベッドに横になった。