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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第13章 定期検診のお知らせ

春斗はそれを聞いて、表情を少し崩す。
眠る咲の顔を見て、ゆっくりと頭を撫でた。月1回の治療が少しずつ、俺たちにも咲にも負担のない方向へと向かっていく。
しかし、心配事は減るわけでもない。

「澤北の、痛み止め効かない痛みが出なかったからっていうのと、ピル飲んでるから経血量が少なくなったっていうのは間違ってなかったよ。血塊も小さいのが1つで済んだ。けどこれから1人で触ったり目が届かなくなっていったりすると思うから、3ヶ月に1回は必ずエコーした方がいい。連れてきなよ」

「わかりました」

早乙女先生は俺と春斗の目を交互に見て言った。

「起きるまで、ここ使っていいよ」

早乙女先生が、春斗に言う。
春斗は頷いて、ベッドの横にあった椅子に腰掛けた。

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