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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第14章 文化祭

つくったマフィンでお茶をした。
3人でテーブルを囲みながら、当日の販売やチラシ作り、ラッピングについて話し合う。

「デザインなら任せて! わたしイラスト得意だから」

いっちゃんがマフィンを頬張りながら、にっこりと笑った。なんでも、入院中に絵を描いて暇つぶししていたという。いっちゃんのイラストは思った以上のもので、今度は由貴くんとわたしが驚いた。

「……ごめんね、わたし特技とかなくて」

申し訳なくなってそう言うと、いっちゃんと由貴くんが全力で否定してくれた。

「何言ってんの! さっちゃんが最初に井田先生と畑仕事やり始めなかったら、いまごろ放課後は退屈だったよ」

「俺も。誘ってもらえて良かったと思ってるよ。お菓子づくりも久しぶりにしてみて、楽しい」

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