優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第18章 揺れる日々
学校ではいつも通りの生活。
とはいえ、一華や由貴は咲の変化に気づいているようだ。
定期検診に来た一華が、自分の体のことを棚に上げて、学校での咲の様子を伝えてきた。
「優先生、なんかさっちゃん、最近大丈夫? 何も聞いてはいないけど……なんか違うっていうか。由貴くんも言っててさ。たまにだけど……心ここにあらず、みたいな」
春斗の退職の話も絡むので、安易に事情を話すこともできず、その場は宥めるだけになった。
「さっちゃん、前より、指先から血が出てることあるの。絆創膏の数も増えたよ」
……一華はそんな咲のことをよく見てくれていた。