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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第18章 揺れる日々

早乙女先生が、カーテンを半分開いて顔を出す。
手元の台には既に、機械が用意されていた。
それを見て、身震いする。

「っはぁ、はぁ、うぅ……やだ……なんで……」

ボロボロと涙が止まらない。
早くこの椅子から降りたかった。
ここまでは、準備だったってこと……?

「ごめんね、つらいよね……やっぱり指では取りきれない深いところに血の塊ができてて、それを取るためには機械じゃないと厳しいかな……」

「やだ…………」

せめてもの抵抗で、声を上げてみるけれど、無情にも受け入れられることはない。

「膣は充分に濡れているから、挿れる時の痛みはないと思う。あとは、子宮の収縮を促して、残ってる血塊をとるだけだからね。また少し、我慢することになるけれど、すぐ終わらせるわよ」

首を振ったけれど、早乙女先生は悲しそうに笑うだけだった。
カーテンが全開にされる。

「顔色見ながらやりたいから、開けさせてね」

開いた足が、どうしても目に入ってしまうから、目をつむった。
準備が整うと、早乙女先生は看護師さんを呼んだ。

「最初は弱めからするから、ちょっと陰核を刺激しててくれる? 」

「わかりました」

早乙女先生と看護師さんの会話を聞きながら、いよいよ逃げられないと感じる。ライトがつけられて、いちばん恥ずかしいところが、明るみに晒された。

……早乙女先生が機械を手にする。
細長い棒状の先端が、生理の穴の入口にあてがわれる。

どきどきと、再び音を立てる心臓がうるさくて、目をつむった。

「挿れていくよ〜。呼吸、忘れないでね」

間延びした早乙女先生の声とともに、ゆっくりと、機械が穴に沈められていく。痛くはない、だけれど異物感と苦しさが、その瞬間からある。

「咲ちゃん、目を開けようか。お腹の中、ブルブルして気持ち悪いかもしれないけれど、イくのは我慢してね」

早乙女先生が言った通りに恐る恐る目を開ける。
足を開いたその間、明るくされた、体のいちばん恥ずかしいところに、早乙女先生と看護師さんの視線と手先が、集中している。

「スイッチ入れていくね。陰核お願い」

「はい」

無情にも、看護師さんが頷く。



……始まったその瞬間から、体に力が入ってしまった。


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