優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第19章 エピローグ
気を取り直して、2人で食卓につく。
「……制服、汚すぞ。着替えて来い」
毎朝制服で朝食を摂るんだから、少し八つ当たりが混ざっているのもおもしろい。目を合わせずにぶっきらぼうに呟いた優に、膨れっ面で答える。
「あとで着替えるよーう」
向き合って座って、2人で改めて手を合わせた時だった。
ピンポーン。
見計らったように、玄関のチャイムが鳴る。
「……ん? 誰だろ」
わたしが手を止めると、優が目で制した。
「俺が出る」
宅急便にはまだ早いような。
そういえば週末、春ちゃんに送った手紙の返事がまだ無いけれど、届いたんだろうか。
ぼんやりとそんなことを考えながら、トーストをかじり始めた時だった。