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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第19章 エピローグ

「母さんの容態が回復してきて、病院の方も、一時期よりはなんとか回るようになってきて」

とはいえ、この1年、春ちゃんがとんでもなく尽力していたのは知っている。入院しているお母さんのところへ通いながら、病院を立て直す手伝いをしていて、連絡がつかない日も多かった。

「母さんから、『もう大丈夫』って言われた。大丈夫じゃないからここに居るって言ったけれど……『あんたも家族がいるでしょ』って」

少し照れたように、春ちゃんが笑う。
わたしと優は顔を見合わせた。

「これからも隙を見て、向こうへ帰るつもりだよ。……母さんの体調は完全じゃないし。学校の方は、来月から非常勤講師として雇ってもらえることになった」

「そうか……春斗、あんまり無理するなよ」

優が、ほっとしたように息をつきながら言った。

「わかってるよ」

「春ちゃん、また、動植物部の顧問できるの?」

気になっていたことを口にすると、春ちゃんはにっこり笑った。

「そのつもりだよ。1年間、3人で庭を護ってくれて、ありがとうね」

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