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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第5章 入院

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数日間、寝たり起きたりを繰り返して、少しずつ体力が回復してきた。
口から栄養を摂るのが始まったのは、ベッド上で体を起こせるようになってからだった。
最初は手が上手く動かなくて、スプーンを使うのすらままならず、看護師さんに一緒に手を支えてもらいながらお粥を食べた。

井田先生がちょうどお見舞いに来ていた時は、先生が面倒を見てくれた。
1口1口がゆっくりにしかできなくて、もどかしくなると、食べるのを辞めたくなって、スプーンを置く。
案外、そういう時が井田先生は厳しかった。

「白河さん、これ一応リハビリなんだから、もう少し頑張ろう。自分であと5口ね。はい、支えるから」

井田先生はわたしにスプーンを持たせる。
もう嫌になって首を横に振ると、井田先生は声色を変えてわたしに向き合った。

「食事って大事なの。食べないと治らないよ。体は使わないと使えなくなる。君が思う以上に、君のことを心配している人はいっぱいいる。ちゃんとしな」

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