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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第5章 入院

手が震えて、載せたお粥が掬ったところからこぼれ落ちて、口に来る頃には半分くらいになってしまう。

なんとか口元まで5往復させると、スプーンを置いた。

その様子を見兼ねて、先生はスプーンとお粥の入ったお椀を手に取ると、わたしの口元まで運んだ。

「半分くらいまで食べないと、薬飲めないし効かないんだ。じゃなきゃ点滴に逆戻り。ちゃんと食べるよ」

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