龍と鳳
第12章 【思い出編】Memories
初めて一人で空を泳いだ時のことは良く憶えてる。
んふっ、何回思い出しても笑っちゃうの。
そん時はしょーちゃんがオイラの上に居て、脚、っていうか手? で脇腹を支えてもらいながら飛んでたんだ。
『お~、智、上手~!』
褒めてもらって、オイラ段々と気が大きくなっていったんだな。
『しょーちゃん、ちゃんとオイラのこと持ってる?』
風でしょーちゃんの支えが感じられなくなってて、心配になって訊きながら。
『大丈夫、大丈夫! 持ってるよ~』
言ってくれたのを信じてたのに、しょーちゃんたら!
いつの間にかオイラはしょーちゃんの鼻先より前を泳いでたんだ。
あれ? しょーちゃんの手で腹を支えてもらってるんだから、オイラが前に居るのはおかしくない?
そう考えたのと同時に、もう自分が誰にも支えられてないことに気づいちゃって。
『はっ!?』
それまで一人でスイスイ泳いでたのに、突然動きが分かんなくなっちゃったの。
アレだよ、人の子が自転車の練習をしてるみたいな感じ。
ほんで、びっくりし過ぎて躰が不安定になって、上空で突然人形(ヒトガタ)になっちゃったんだよ。
しょーちゃんが言うには、それまでにも寝てる時に無意識で人形になってたり、お社でしょーちゃんがいつの間にか子供姿のオイラを肩車してたりはあったらしいんだけど。
オイラは大地に向かってぴゅーって落ちながら、その時初めて自分が人の子の姿になってる、って自覚したの。
「はわわわわ~~~???」
声を上げながら手足を大の字に広げて。
落下傘もないのにクルクル回りながら落ちてった。
それがさぁ、アレ、人形で落ちるとき、口を開けちゃうともう閉じられないんだよ。
下からの風がブワーッて入って来るから、唇なんかぼわぼわ、ぶわぶわって勝手に煽られて動いてさ。
「おわわわわわ~~~!!!」
風圧で目もしっかり開けられないし、大地との距離が分かんないから怖くなかったんだなぁ。
「はわっ、はわわっ!
アハハハッ!!!
ははははっ、あははは~~~っ!!!」
追っかけて来たしょーちゃんがオイラの下に潜って、首のとこに乗っけてくれたんだけど、もうゲラゲラが止まんなくて、またすぐ落ちてさ。
「きゃははははっ!! あははははっ!!」
しょーちゃんが人形を取ってオイラをぎゅっと抱っこしてくれたんだよね。
んふっ、何回思い出しても笑っちゃうの。
そん時はしょーちゃんがオイラの上に居て、脚、っていうか手? で脇腹を支えてもらいながら飛んでたんだ。
『お~、智、上手~!』
褒めてもらって、オイラ段々と気が大きくなっていったんだな。
『しょーちゃん、ちゃんとオイラのこと持ってる?』
風でしょーちゃんの支えが感じられなくなってて、心配になって訊きながら。
『大丈夫、大丈夫! 持ってるよ~』
言ってくれたのを信じてたのに、しょーちゃんたら!
いつの間にかオイラはしょーちゃんの鼻先より前を泳いでたんだ。
あれ? しょーちゃんの手で腹を支えてもらってるんだから、オイラが前に居るのはおかしくない?
そう考えたのと同時に、もう自分が誰にも支えられてないことに気づいちゃって。
『はっ!?』
それまで一人でスイスイ泳いでたのに、突然動きが分かんなくなっちゃったの。
アレだよ、人の子が自転車の練習をしてるみたいな感じ。
ほんで、びっくりし過ぎて躰が不安定になって、上空で突然人形(ヒトガタ)になっちゃったんだよ。
しょーちゃんが言うには、それまでにも寝てる時に無意識で人形になってたり、お社でしょーちゃんがいつの間にか子供姿のオイラを肩車してたりはあったらしいんだけど。
オイラは大地に向かってぴゅーって落ちながら、その時初めて自分が人の子の姿になってる、って自覚したの。
「はわわわわ~~~???」
声を上げながら手足を大の字に広げて。
落下傘もないのにクルクル回りながら落ちてった。
それがさぁ、アレ、人形で落ちるとき、口を開けちゃうともう閉じられないんだよ。
下からの風がブワーッて入って来るから、唇なんかぼわぼわ、ぶわぶわって勝手に煽られて動いてさ。
「おわわわわわ~~~!!!」
風圧で目もしっかり開けられないし、大地との距離が分かんないから怖くなかったんだなぁ。
「はわっ、はわわっ!
アハハハッ!!!
ははははっ、あははは~~~っ!!!」
追っかけて来たしょーちゃんがオイラの下に潜って、首のとこに乗っけてくれたんだけど、もうゲラゲラが止まんなくて、またすぐ落ちてさ。
「きゃははははっ!! あははははっ!!」
しょーちゃんが人形を取ってオイラをぎゅっと抱っこしてくれたんだよね。