メランコリック・ウォール
第35章 彼の地元
「ありがとう」
「ん。」
彼が上着を脱ぎ、先に入るのだと思った私は脱衣所を出ようとした。
「どこ行くの」
「え?」
「一緒に入ろう」
「…っ」
彼はすっぽりと私のセーターを脱がし、チュッとキスをした。
…
「ふああ~~っ…」
2人で湯船に浸かり、じんわりと温まる気持ちよさに息を吐く。
私はキョウちゃんの足の間におさまり、うしろからきゅっと抱き締められていた。
「正月だし、今日はこのままゆっくり過ごそうか」
「うんっ。明日はね、マサエさんに九州のお料理教わるの。」
「へぇ、そりゃ楽しみだな。」
「帰っても作れるように…ー」
言ってしまってから、帰らなければいけない現実が追いかけてきた。
ぽんと頭を撫でられ、「髪洗ってやるから座って」と促される。
わしゃわしゃとシャンプーで髪を泡立てられると、彼の大きな手がとても気持ちよかった。
「あ、そういえば…」
「んー?」
「宿に泊まるって、言ってたよね?」
「うん。空港の近くで1泊してから帰ろうと思って、予約もしてある」
「びっくりしたよ」
「ははっ、ごめんごめん。驚かせたかった」
「ふふっ。楽しみ…!」
シャワーで洗い流され、彼はボディソープを手に取った。
するすると背中を洗ってくれると、私も振り返ってボディソープを手に取り、彼の上半身を洗った。
ニコニコと楽しげな時間が流れ、やがて優しく口付けを交わした。
ぬるりと触れ合う肌が心地よく、思わず自ら舌を絡める。
ぎゅっと抱き寄せられると乳房が彼の胸板に押し付けられ、接吻のいやらしい音が浴室へ響いた。
「ん…こっちも洗わないとな」
するりと彼の指が秘部へ流れ込み、つぼみを撫でた。
ボディソープで滑りが良くなった感触に、足が震えてしまう。
「あ…っんぅ…」
首元にしがみつきながら、彼の愛撫を受け入れる。