メランコリック・ウォール
第45章 衝動
一息つこうとキョウちゃんの隣に座ると、唇が近づいてきた。
「ん…―――」
舌を絡ませ、彼の手が私の胸元に伸びた。
脳裏にオサムの汚らしい手や顔が浮かび、思わず唇を離した。
「どうした?」
不安げに言うキョウちゃんに、私は平常心を装って言った。
「先に…お風呂入りたい」
「…入ってきただろ?シャンプーの匂いする」
「ん…」
「なにがあった?」
彼に抱かれたい。
けれどなんだか、オサムの手の感触が…吐く息のにおいが、こびりついて離れないのだ。
じっと私を見つめ続ける彼。
「今日…あの人にさわられたの。」
「…なんで。」
「分からない…。急に、腕を掴まれて…」
「それで?」
「ひ、久しぶりに…しよう、って」
キョウちゃんは数秒間黙ったあとで、乱暴に私を押し倒した。
「あっぁ…――」
首筋に噛みつかれ、ズキリと痛む。
彼は熱くやわらかな舌で鎖骨をなぞり、私の洋服を一気に剥ぎ取った。
「キョウちゃん…――ッ」
返事はなく、荒ぶる息だけが肌に当たる。
淡く赤らんだ蕾を喰まれた頃、私の胸元にはいくつものキスマークが鈍く浮き出ていた。
「んぁあっ…ん、そんなに…激し…く、んやぁっ…――」
吸い付かれるたびに秘部はきゅうきゅうと締まり、愛液を溢れさせて悦ぶ。
予測できない舌の動きに翻弄され、腰が反り上がる。
「もうっ…だ、め…イッちゃうよぉ…ッ――」
全身の筋肉が硬直し、クリトリスに触れている彼の舌を感じながら果てた。
すぐにペニスをあてがわれ、ぬっぷりと先端が入ってくる。
「んあっんやぁあ…ッ―――」
口を塞ぐような深いキスをされ、同時に肉棒は深部まで埋まった。
「はっ…んあぁ…―――!」
それだけでビクビクと震え、また果てた。
彼は鋭い目つきで私を見つめ、奥深くまで何度も突き上げる。
「は…ぁ…ッ―――。アキ…ッ」
名を呼ぶ声が、熱い肌が、揺れる髪が、すべてが私を狂わせる。
肌のぶつかる音は次第に早くなり、やがて最も深いところでペニスがビクンビクンと跳ねた。
「ん…く……――」