メランコリック・ウォール
第14章 スコール
「何だよ?」
「風邪、ひかないで…」
「じゃあキスして」
「…」
「……アキ」
優しく呼ばれ、目が合った。
腕はしっかりと私を支えている。
もう、だめだ。どうしようもないほど…
「キョウちゃん…好き。」
そっと唇を押し当て、彼の唇を喰んだ。
これが欲しかった、ずっと……
おそるおそる舌を差し出すと、キョウちゃんが迎えに来てくれる。
「んっ…ぁ…」
ゴロゴロと大きな雷が鳴り、キョウちゃんの前髪からポトリ、と雫が落ちた。
「あ…まだびしょびしょじゃない」
彼が首にかけていたバスタオルでそっと髪を拭く。
「こっち来て」
「んっ…」
隣同士向に座っていたところで腕を引かれると、キョウちゃんにまたがり向き合う格好になる。
抱き寄せられ、その強く優しい力にときめく。
こんなに密着したら、心臓の音が聞こえてしまいそう。
見上げるとそこにはキョウちゃんの首すじが伸びていて、そっと唇で触れるとひんやりと冷え切っていた。
「アキ、あったけえな」
「ふふ。キョウちゃん…すごく…冷たい」
何度も彼の首すじにキスをして、ぺろりと喰む。
「ん…舌、すげえ熱い。」
こうしてキョウちゃんに愛撫していると、私自身がどんどん興奮してきてしまう…ーー。
やがて下半身には、彼の硬くなったものを感じる。
「はぁ…アキ…そろそろおしまい」
「んん…もっとしたい…」
私の唇はさらに下がり、キョウちゃんの鎖骨にそっと吸い付いた。
それから次第に強くなり、赤い痕で私を刻んだ。
「…えへへ」
目が合うと彼は私を少し持ち上げ、口づけた。
いつもよりお互いに息が上がっているのが分かる…ーー
「ん…ぁ……」
舌の交わる淫らな音が響く。
秘部に当たるキョウちゃんのそれが、洋服越しにほのかな刺激となる。
「ぁ…キョウちゃ…ん」
またがっている足が快感に震えてしまう。
ふるふると感じている私に気付くと、キョウちゃんは硬くなったものをさらに押し付けた。
「んぅ…っ…だめ…ぁ…ー」
なおもいやらしいキスは続き、ぬるりと滑る舌は私の胸元へと下がっていった。