おにぎり短編集
第4章 タイトル未定
お互いのことを開示して。その分、お互いのパーソナルスペースがいつもより小さくなって。
相手の浮気に気づいていた先輩と、彼から浮気を、多めに見ることが伝えられているわたし。
……決してそれが許されてはいないし、関係を持つことへの罪悪感がないわけではなかったが、小さかった。
ロックで作っていたサングリアの氷が溶けて、音を立てる。その音が、静かになっていた部屋にやけに響いた。
深夜0時。もう帰る電車も、理由もない。
不意に、先輩の手が、わたしの手に触れた。
熱を持ったお互いの手が、どちらからともなく絡み合う。
その生々しい混ざり方に、わたしの胸がぎゅっと疼いた。
先輩は変わらぬ表情でわたしのことを見た。
相手の浮気に気づいていた先輩と、彼から浮気を、多めに見ることが伝えられているわたし。
……決してそれが許されてはいないし、関係を持つことへの罪悪感がないわけではなかったが、小さかった。
ロックで作っていたサングリアの氷が溶けて、音を立てる。その音が、静かになっていた部屋にやけに響いた。
深夜0時。もう帰る電車も、理由もない。
不意に、先輩の手が、わたしの手に触れた。
熱を持ったお互いの手が、どちらからともなく絡み合う。
その生々しい混ざり方に、わたしの胸がぎゅっと疼いた。
先輩は変わらぬ表情でわたしのことを見た。