🕯️悪夢の神様🕯️
第6章 放火犯の素顔
「犯行前に…事件を止められたら――――…言うことなしなんだけど…」
美希さんは困ったように未來ちゃんの寝顔を見つめる。
今後の事を話し合いたいが…ここで、二人が仕事に行く時間が迫ってしまい…
話の続きは仕事から帰ってきたら…と、言うことになった。
夜の花屋は――――…文字通り夜に営業しており…、キャバクラやホストクラブ、クラブにbarなどの店内装飾華が主な取引先だ。
午後イチで店内装飾の店舗を回る時もあればキャスト誕生日の花束など作り時間に届ける――――なんてサービスもしている。
平たく言えば…飲み屋のための花屋である。
「悪いが――――…今日は誕生日ブーケを三ヶ所に届けないといけないんだ…早めに帰るつもりだが……未來ちゃんを頼む」
スヤスヤ眠る未來ちゃんを心配そうに見つめる岳さんに「わかりました」と、うなずく。
美希さんも後ろ髪を引かれる思いなのか…顔をしかめて――――…仕事に向かった。
――――だよなぁ~…あんな濃厚なキスを見せられて…“大丈夫!”って…絶対…思わないよなぁ~…