🕯️悪夢の神様🕯️
第9章 面会の理由
「お久しぶり――――です…」
「おう、小林――――久しぶりだな」
人生初の刑務所での面会は――――ドラマの1場面のような…非現実がそこには広がっていた。
狭く窓一つ無い…本当に刑事ドラマでも見ているような雰囲気だ。
未來ちゃんもキョロキョロとするも…小林が入ってきてからは…透明な仕切りの向こう側にいる小林を凝視する。
「――――で、なんで英雄君がいるんですか?しかも、ヒロイン連れて……」
小林は俺を睨むと、あからさまに不機嫌そうな顔をした。
「ヒロイン…か……、そのヒロインがお前に話があるってさ……」
三井は早速未來ちゃんに話を振る。
ビクッと一瞬にして緊張モードの未來ちゃんに視線を向けた小林は…「フッ…」と、力なく鼻で笑った。
「俺が…怖いですか?お姫様……」
そう言うと、目の前に座った未來ちゃんに力なく笑う。
「初犯で――――…ボヤ止まりの放火…人は誰も死んでない。器物破損止まりのちっちゃい犯罪…ってことで……近いうちに俺は…ここを出ます。
執行猶予付きで…一般人と変わらぬ社会に再び戻ります――――怖いですよね?」
小林は、淡々と…つまらなそうにしゃべり出す。