🕯️悪夢の神様🕯️
第10章 女王蜂の巣
「で――――ここに呼び出されて、さっきのような事を言われて…」
未來ちゃんの話だと、またまた呼び出され…連れてこられたのは、この美術室だったそうだ。
「美術室の――――あそこに追い込まれて…」
と、未來ちゃんは美術関連の書籍が置かれた本棚を指差した。
「ちょうど、廊下から見えない位置ですね…」
岳さんがそこに立つと、キョロキョロと辺りを見渡す…と、ある一点を見つめ首を傾げる…
「ここ……本棚のここ…なんか不自然じゃないですか?」
岳さんの指差す本棚の一ヶ所…
よく見ると…一冊本を雑に抜かれた後があった。
「…私が見たときは…本は隙間なく綺麗に並べられていた気がしますが…」
確かに…
本棚はなに順なのか分からないが、綺麗に端からキッチリと整理されていた。
「美術の先生である“川口(かわぐち)”先生は…怖いくらいの几帳面で…ほら、見て――――画材の整理整頓には厳しい方なのよ…
机一つの乱れも気になるって行っていたのに…おかしいね…」
「ねえ、未來ちゃん…この本棚の残記って見えたりする?」
俺は、手を伸ばし未來ちゃんを本棚に誘導する、そこの思念を読み取れないかと提案する。
「皇輝さんが一緒なら…見れるかもしれません!」