🕯️悪夢の神様🕯️
第14章 過去の事件
「生きたい――――死にたくない」
夢の中で…不慮の事故で亡くなる人は…いつも泣いていた。
――――死にたくない…死にたくない…と、声にならない叫び――――…
命の尻尾を掴もうと必死だった。
だからか…簡単には…死にたくない――――…
そう思わずにはいられなかった…。
そう言えば――――…同級生の彼のお父さんは…事故直後…
家族の事を考えていた…
産まれたばかりの子供の事や――――…
サッカーのレギュラーになったと喜んでいた…彼の事を――――…
そして…これから事故で動けなくなる自分を気遣うであろう……
妻の事を――――…
心配して、心配して――――…薄れ行く意識の中でも…
家族の事を考え――――亡くなった。