🕯️悪夢の神様🕯️
第16章 命の重さ
「ワガママと、言うか――――最初にも言ったように…嫌がらせっす。
実は、他の演者もエレベーター乗れないんですから…」
「は?他も?」
驚きである――――、スタッフの話では…今回のデビューイベントの主役である“加藤
円(かとう まどか) ”のワガママで、自分以外の者がエレベーターを使うことを禁じたらしい。
スタッフや業者はもちろん、当日出演する者達もエレベーター禁止にしたのだとか。
もちろん、階段での移動は可能だが…
控え室のある地下2階から会場のある一階への移動は…地味にキツイ。
しかも、会場入り口はもちろん、自分の楽屋の前に花束や花飾りを準備して欲しい――――と、言い出したのも彼女らしい。
他の出演者との人気の違いを見せつける――――…ためだけの…花飾りである。
花屋としては注文が多いことはいいことだが…なんだが…楽屋に置かれた花たちはかわいそうである。