🕯️悪夢の神様🕯️
第16章 命の重さ
「なんか――――凄い子ですね…」
俺は、ライブ会場の至るところに貼られているポスターを眺める。
そこには、満面の笑顔でマイクを持ち歌う姿の“加藤 円”の姿があった。
「地下アイドルから異例の早さで地上に出た特別なアイドルっすからね――――…人気が出てからすぐにメジャーデビューですしね?そりゃぁ、鼻も高くなるってもんです!」
だとしたら…傲慢さは仇になりかねない。
「その業界の事はよく知らないっす」
「まぁねぇ――――…アイドル沼にハマったら…金を搾り取られて終わりの世界だからねぇ…興味がない方が俺は、幸せだと思うよ?」
スタッフさんは、重い花飾りを地下2階まで運んでくれると、時計を見て「やべ!」と、慌てて階段をかけ上がっていった!