🕯️悪夢の神様🕯️
第16章 命の重さ
さすがに、四往復は…元アスリートの俺でもちょっと…萎える作業である。
が、まだ…花束や花篭などの細かいモノの移動もあった。
岳さんも最後の法はヘロヘロである。
「――――すみません…、楽屋に置く花束がまだかって…連絡が来てるんですけど…入り口の花飾りはいいんで…楽屋の花束…先にしてもらっていいですか?」
やっと、楽屋前の花飾りを下ろし終えた俺たちに…スタッフが申し訳なさそうに頭を下げる。
「あ――――…はい、今運びます」
未來ちゃんは配送チェックリストを見ながら楽屋の中に入れる花束を車から出し…
「岳さんも皇輝にさんも――――…つかれてますよね?これは、私が運びます」
「あっ、エレベーターは使わない方がいいよ――――…」
岳さんが念のため未來ちゃんにそう言うと、「は…い?」と、不思議そうに首をかしげたが「了解しました」と、両手いっぱいに花束を抱え建物に入っていった。
俺たちは、一息つく暇もなく――――…
会場入り口の花飾りを運び出す。
その頃には、演者さんたちが続々とリハーサルのために裏口から入りはじめていた。
しばらくすると、トラベルケースを引きずり何人か若い女の子たちが挨拶をしながら会場入りし始めた。
「彼女たちが、アイドルっすかね?華奢で可愛いっすね~!マスクとかメガネとかしてますが…可愛いオーラが出まくってます!」