🕯️悪夢の神様🕯️
第16章 命の重さ
更にしばらくすると、タクシーから芸能人オーラを出しまくっている子が降りてきた。
しかも、周りのスタッフが挨拶をするも…彼女は視線も合わせず――――…無視して会場の裏口に向かう。
「――――・・・・せっま…」
彼女は入り口の狭さや、建物の小ささに「チッ」と舌打ちをして裏口から入っていった。
と、次の瞬間――――
「ちょっと!!――――エレベーター私以外使うなって!言ったよね!誰よ使ったの!」
と、怒鳴る声が聞こえてきた。
俺は何事か?と、そ~っと、裏口から中を覗きこむ。
すると、マネージャーらしき女性が、
「ごめんね?円――――ちゃんと伝わって無かったのかも…もう一度ちゃんと伝えるから…」
と、言ってエレベーターの中に消臭スプレーを散布し始めた。
「マジで最悪――――…だれ?このくっさい香水の女…マジで死刑もんじゃん」
怒りが収まらないのか、彼女はエレベーターのボタンの下をヒールで蹴った。
ガン!ガン!
と、マネージャーさんの消臭が終わるまで蹴り続けていた。
その姿に、周りのスタッフは目を背ける。